DASH3の記事、すごい反響です・・・。
(画像は2014/08/15 01:00時点)
なんだこれ。
あの事件から3年が経過しますが、みんな忘れられていないわけですね。私は今すぐ広めたいと思っていたわけではなく、記事にも書いた通り、検索で目立ってくれたらいいなと思って書きました。今、「ロックマンDASH3」でぐぐったら2ページ目に出てきました。みんなのおかげかな?
よく見たら「このサイトについて」のアクセスも若干伸びたわけですが、何を期待されたのでしょうか。私は普通の学生ですよ。ただのファンの1人がファンとして書いたわけです。
先日の記事はいろんな人が目にしたことでしょう。あれだけの長文を読んでくれて本当にありがとうございます。ただ、広まりすぎて誤解する人も多かったと感じました。一応、誰向けの文章かはっきりさせますと、やはりロックマンファン向けを想定してまとめています。そこを勘違いしないでほしいです。
そこで、その意図というかスタンスはもう少し丁寧に説明してもいいのかなと思いました。元記事のコメント欄でも返事として書いたので、興味があったら目を通してみてください。
DASH3記事を書いたきっかけ
あの記事を書こうと思ったきっかけは、2014年5月25日にニコニコ動画に投稿された**「自作DASH3」**の動画を見たことでした。自作DASH3とは、ファンによるDASH3の二次創作です。
この動画が本当によくできているんですよ。まさにDASH愛の塊で、私も唸らされるものがありました。この動画はとても人気があり、ロックマンファンの間でとても話題になりました。
しかし、**「カプコンが作ってくれないならファンが作ってしまえばいいじゃない」**という意見が加熱して、これは危険だと感じました。私は次のような問題を危惧しました。
- 権利元であるカプコンによって著作権侵害で訴えられ、強制的に終了させられるおそれがある。その場合、ファンの傷は更に深くなるのではないか。
- DASH3の公開情報は少なく、大部分を捏造しなければいけないが、それをファンが受け入れられるのか不安を感じる。
- 完成品を公開したとして、ゲームへの不満のすべてを**「公式ではない」ことを原因として、ファンに偽物扱い**される可能性がある。作り手が報われない。
要は、このままいくと誰も幸せにならないのではないかと思いました。
幸いなことに、これらの問題は自作DASH3チームも自覚していて、方針を明確化しました。あくまで目的は**「DASH3の開発再開」とした二次創作という立場を取り、カプコンから開発中止を要求されたら受け入れることを明確にしました。内容についても、公開された情報をベースにプロローグ版の再現に留める**こととなりました。結局、公式が出したDASH3を遊ばなければ、ファンは満足できないのです。
そんなもの作って大丈夫なの?と思うかもしれません。法的に二次創作は親告罪です。キャラクターイラストであっても同様です。公式に黙認される形でファン活動は成り立っています。だから、もし迷惑だったら指摘してくれればやめます、ということなのです。
そういうわけで、公式をそのまま置き換えるものとして喧嘩を売るのとでは本質が違います。気持ち的には、DASH3ってこんな感じだったのかなとイラストを描くようなものだと思ってください。もちろん、作者の意図と受け手の認識は一致しないので、かなり慎重になる必要はあるでしょう。
そして、私はDASH3関連からはしばらく距離をとっていましたが、この件をきっかけに改めてファンの様子を眺めてみることにしました。普段は狭い範囲しか見てないので。そこでエクストルーパーズが未だにネタにされていたりして頭にきました。ネット上に存在している情報がめちゃくちゃだと思いました。だったら、私が知っていることを書こうと思いました。見ているだけっていうのが嫌になりました。
記録に残すということ
ところで、自作DASH3を作る意義は何でしょうか。それはまさにプロローグ版の再現だと(私が勝手に)思っています。公式には配信されなかったプロローグ版ですので、これを誰もが体験できる形にすることで、DASH3という企画があったんだという証を残すことができます。そして、そこにゲームとしての体験を加えることができます。そこからファンの熱がカプコンに届けばいいのですが・・・。
同じような位置付けで、**「2D版DASH3」という二次創作ゲームがあります。こちらもプロローグ版の再現を試みていて、8月30日に公開予定となっています。これは海外で最も大きなDASH3開発再開運動である「GetMeOffTheMoon」の日本チームである「ロックマンDASH3再起動プロジェクト」**によるものとなります。
余計なことするなと思う人もいるかもしれません。ですが、DASH3に込められた熱い想いをファンが忘れてしまうことが一番悲しいことだと思います。形にして残すということ。これは今、ファンにしかできないなと。
8月23日にUstreamで2D版DASH3の完成記念番組をやりますが、初見プレイの楽しみを大事にしたいということで、製作に関わっていない私がお呼ばれすることとなりました。今回、再起動プロジェクトを代表して出演されるo.sさんとは長い付き合いで、開発室があったときには非公式ミーティングを一緒にやったこともありました。
番組では、**みんなでDASHについて好きなところや期待するところを話し合う時間を設けました。**2D版DASH3には、プロローグ版の要素がたくさん詰め込まれていることがPVからもわかります。そのプレイを見てから、みんなで改めて今後のことを考えていく機会にできたらいいなと思っています。楽しい時間にしたい。
どうでもいいことですが、あの記事をこのタイミングで公開したのは、上の放送に合わせたからではなくて、ゼルダ無双が発売するまでに仕上げたかっただけだったりします(‘3‘)
反響に対して
先日の記事について、Twitterやはてブコメントの反応もざっと見てみましたが、思ったよりは記事に好意的な反応が多く感じられ、そこは素直に嬉しかったです。「知らなかった」とか「興味深い」とかたくさん言ってもらえて、書いてよかったと思います。ただ、傷口をえぐってしまった人には本当に申し訳ないです・・・。
事の顛末を見てきた人の中には、私のように違和感を感じた人が多いでしょう。でも、どうしてそう思うのか説明することって難しいじゃないですか。断定は不可能だけど、それっぽい情報を色々と集めることはできたと思うし、その上で導かれる解釈のひとつを示したというところが、あの記事の注目されたところではあるのかなぁと。もちろん、他の解釈があってもいいですよ。
一方、「稲船はダメだ」ともやっぱり言われました。別に私は稲船さんが素晴らしいと言いたかったわけじゃないですよ。ファンを巻き込んだ人であるのは事実ですし、そういう文句ならまっとうだと書きました。私は自ら**「人質にされたんじゃないか」**とさえ言っているんですよ。恨んだっていいはず。
それでも、私は稲船さんを応援すると言いました。稲船さんがロックマンの味方だからです。私は作り手を応援するのが現実的だと考えています。感謝されないのってつらいですよ。だから、好きとか嫌いとか言ってるともったいないと書きました。好きになれとは言いませんよ。1人の人間として認めようと言いました。ロックマンの未来を考えるにあたって、好き嫌いは本質じゃないからどうでもいいと私は割り切れます。うーん、伝わるかな?
稲船さんを支持するような内容が多いという指摘については、純粋に開発中止の背景をまとめていった結果、ああなりました。ロックマンに関することをまとめただけ。あの記事に稲船さんの失敗事例をだらだらと書くのがいいのでしょうか。余計じゃないですかね。私にはバッシングされてたよということを書くのが精一杯でした。個別の話は拾ってられない。ただのdisりにしかならない。
あの記事には、一部、あえて煽るような表現を取り入れてみましたが、そこはちょっと考えてみてほしいなというところです。私の考えが唯一絶対正しいなんてことはないです。叩き台にしてもらえたら、それでいい。考えるきっかけにしてください。
ロックマンファンに向けて
私の知っていることを記すことが目的とはいえ、社内政治なんてクッソどうでもいい事情のために潰されたかもしれないことを知ると、ファンは余計にやるせない気持ちになるかもしれないと思いました。でも、私はそんなことは望んでいません。だから、ただの記録にするのではなく、最後には私からの他のファンへのメッセージを込めました。何様って感じですが、私なりの気遣いです。
現状は絶望的です。また元気なロックマンが見たいなら、どうやって未来に希望を見い出せばいいのでしょう。開発中止直後には、開発再開を求める署名活動がすぐに行われましたが、効果はありませんでした。そしたらもう、**現実的にはただひたすら待つしかありません。**ファンの立場ではそれが限界です。ですが、ファンの待ち方というのもあるのではないかと思うのです。
開発中止後のファン活動について、稲船さんが自身のブログで言及しています。これは別の記事に使おうと思い、前回は出し惜しみしましたが、もう引用してしまいます。
「DASH3」って一部の人たちからかも知れないけど、愛されているなぁって思うよ。
ゲーム制作に関わってきてそんな作品に巡り合えることは少ない。ほとんどの作品は「大ヒット」したってその時代での話題とファンを集めることは出来るけど、思い出に残る作品にはなってくれない。
ゲームはどんどん消費されていくだけの「娯楽」でしかないことが多い。少なくとも「DASH3」は、今もなお記憶に残る作品であるし、創った人間も遊んだ人間も愛してやまない存在なんだと思うよ。
カプコンにはそんな作品は多いと思う。
(略)
俺も「再起動プロジェクト」特別メンバーくらいの気持ちでこのファンたちの心と共に応援し続けようと思う。
いつか俺の後輩の力で「再起動」が叶う日を夢みているよ。
無責任って声がいろんなとこから飛ぶだろうけど、そんなこと気にせず応援を送り続けるから。
(略)
だってファンは応援することでしか制作者を助けられないもんね。 一緒に作れないなら応援することしか出来ない。
間違ってもネガティブな声は送りたくないもんだ。
私はこれに同意しているわけです。**ネガティブな声は送りたくない。**みんなつらいのはわかってます。が、結局は根強いファンがいないことには続編にはつながらないと思います。また、作ってくれる人をファンが追放してしまうのも自滅でしょう。だから、前向きに、楽しく、DASHが好きだとみんなで言って待つのがいいんじゃないでしょうか。今それが難しいのは承知で。
その辺のことを、ファンにはちょっと考えてみてほしいです。ファンじゃない人には、記録部分やファンの心理について参考になればいいかなと思います。